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2012/04/08

患者さんたち

同じフロアには、脳神経外科の患者さんたちが入院していて、病気が病気だけにそれぞれ大変なんだろうなと思う。
龍と同室だった九州の若い衆は、部位も同じ下垂体の疾患だった。デイルームで見てると、開頭手術のあとの痛々しい人もいるし、車椅子に座ったきり動いたり話したりできない人もいるし、かと思えばもどかしそうに仕事の電話をかけまくってる人もいる。もちろん病室には歩き回ったりできない寝たきりの人も。
龍の隣はいつのまにか空になって、その日の夕方になって新しい人が入ってきた。
声からするとお年の人のようで、奥さんとおぼしき人がずっと付き添っているようだった。
龍の希望でカーテンを引いてあったから、母親は姿を見ることができなかったが、その会話だけでじゅうぶん想像力をかきたてられた。
何しろ小津映画に出てきそうなくらい、上品で奥ゆかしい夫婦の会話だったのだ。
普通夫婦間では使わないような丁寧語なのに仲むつましげで、二人でクロスワードパズルをやっているようだった。
母親はつい隣から答えを教えたくなったがこらえた。ほんとうに古い昭和を描いたドラマのようで、悪いと思いつつも聞き入ってしまった。
翌日の龍の報告によれば、ある大作家の息子さんだという。
大作家本人も由緒ある家の出であるから、きっとそういう育ちなのだろう。

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